リラックスするためのレクリエーション
高齢者はさまざまなストレスを抱えている
高齢者は体力の衰えや認知力の低下、よく眠れない、何もやることがない、などさまざまな不安やストレスを抱えています。その状態ではレクリエーションをしてもあまりよい効果は期待できないため、まずはリラックスする必要があります。介護の現場で取り入れられている、リラックスするためのレクリエーションについて詳しく見ていきましょう。
ハンドマッサージ
相手の指や手のひらをやさしく揉み解すハンドマッサージは、指先の血行を促して手を温めることで緊張感をやわらげるため、リラックス効果が高いレクリエーションです。
深呼吸
深呼吸によるリラックス効果は医学的にも認められており、時間や場所を問わずに行えるため気軽に行うことができます。加齢により背骨が曲がっている高齢者も多くいますが、背骨が曲がっているとどうしても呼吸が浅くなりがちなので、ゆっくり吸って、ゆっくり吐く深呼吸で呼吸のリズムを整え気持ちを落ち着かせましょう。
音楽によるリラックス効果
音楽療法という言葉があるように、音楽は人を癒す効果があります。ゆったりとした音楽や知っている音楽を流すだけでも気持ちが安らぎますが、音楽の効果はそれだけではありません。音のリズムによってそれぞれ与える効果が違うため、イライラしているときなど気持ちが落ち着かないときは鎮静効果がある音楽を、気分が落ち込みがちのときは脳の活性化効果がある音楽をそれぞれ聞くことで感情をコントロールすることができます。感情をコントロールできれば情緒も安定してくるため安眠効果も期待でき、よく眠れない、といったストレスを抱えることもありません。
また、音楽を聞くだけでなく歌ったり合奏したりすることで、集団の中に自分の居場所を見つけることができるため孤独感や喪失感などからも解放されますし、充実した生活も遅れるようになります。
それ以外にも、音楽は脳の活性化や身体機能の維持や向上効果があるといわれており、実際にアメリカの精神科医、バトラーが音楽療法と回想法を組み合わせた音楽回帰療法は認知症の予防や進行の抑制に効果がある、と提唱しています。また、子どもの頃に聞いていた音楽や歌などは眠っていた記憶を引き出して脳を活性化させるため、自己肯定感や意欲が増したり表情が豊かになったりといった効果が期待できます。
音楽は聴くだけでなくリズムに合わせて身体を動かすことで身体機能の向上も期待できますし、大きな声で歌うことでストレスや抑うつ感を発散することができます。